加齢と共に深くなっていくほうれい線。
30代後半から徐々に出現し、深くなってきたような気がしませんか?
ほうれい線は、その人の見た目年齢を左右すると言われているので、できる限り消したいですよね。

この記事では、ほうれい線ができる理由やケア方法などをご紹介します。

消せる?消せない?ほうれい線って一体何?

ほうれい線は、小鼻から口にかけてできる線。
鼻唇溝(※1)とも呼ばれており、一般的に加齢に伴う皮膚や筋肉のたるみ、脂肪の量の変化などが原因でできると言われています。(※2)
実際、ほうれい線の存在が気になるという人は多いですが、ほうれい線を消すためのケアを行なっているという人は意外に少ないんだそうです。

ほうれい線は、年齢を判断する上での材料のひとつとも言われており、1センチ伸びるごとに約6歳見た目年齢が上がると言われています。(※3)

40代女性にほうれい線ができる5つの理由

いつの間にかできているほうれい線。
表情ジワや乾燥ジワなら、年齢を問わず出現しケアも簡単ですが、ほうれい線はなかなか頑固ですよね。
40代のほうれい線は、何が理由でできてしまうのでしょうか?

1. エストロゲンが減る

お肌のハリの元であるタンパク質「コラーゲン」は、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの影響を受けて作られます。

エストロゲンは30代半ばを境に減少の一途を辿り、分泌量が少なくなります。

それに伴い、肌の弾力を保つ働きがある「真皮」内のコラーゲンも減り(※4)、肌のハリや艶を失うきっかけになるとされているのです。(※5)

また、エストロゲンは骨量の減少にもつながるため(※6)、ほうれい線が見えやすくなる原因にもなります。(※7)

2. エラスチンが減る

エラスチンは、肌に弾力を与える役割を担っています。(※8)
コラーゲンと同じタンパク質で、20代後半をピークに減少。
これが理由で、シワやたるみの原因になると考えられています。

3. 表情筋の衰え

表情の癖によってできるシワのことを「表情ジワ」と言いますが、ほうれい線自体は表情ジワではありません。
しかし、加齢と共に表情筋が収縮すること、そしてコラーゲンやエラスチンの減少や、紫外線の影響などが合わさることで、元に戻りにくい真皮性のシワになり、恒久的に残るってしまう可能性があると言われています。(※9)

4. 紫外線

紫外線は、真皮内のコラーゲンやエラスチンを破壊したり、変性したりする力があります。(※10)
先ほどもご説明した通り、コラーゲンやエラスチンは、肌のハリや弾力、艶を与える役目を担うタンパク質。

紫外線の影響を受けてその働きができなくなってしまうと、ほうれい線やマリオネットラインをはじめとした真皮のシワの原因になる場合があります。

5. 噛み合わせ

歯の噛み合わせの悪さが、表情筋の衰えの原因になると考える歯科医は多くいます。

もともとの噛み合わせもそうですし、過去の矯正治療が影響する場合もあるのだとか。
気になる方は、歯の矯正治療や噛み合わせの治療をする、またはし直すのも手ですし、歯科医によるヒアルロン酸を注入で改善するという手段もあるそうです。(※11,12)

自分でできる。ほうれい線のケア方法

ほうれい線を消すために注入治療を行うという人もいますが、手軽に、おうちでできる方法があるのをご存知ですか?
ほうれい線を消したい、という人は、まずはほうれい線をこれ以上深くさせないよう、自分でできるケアを取り入れてみましょう。

ほうれい線対策、基本のキ!保湿&ハリを取り戻す

スキンケア自体がほうれい線を消すということはありませんが、
保湿すると表皮に刻まれる乾燥ジワと表情ジワを癒す効果があります。

ほうれい線は表情ジワではありませんが、加齢や弾力を失った肌に表情ジワが付くことで、そのままほうれい線になる可能性があるのです。
よって、普段からスキンケアで保湿することが大切になります。(※13,14)

また、ハリや弾力を取り戻すためには、レチノールやビタミンC誘導体などコラーゲンやエラスチンの生成を促す化粧品を取り入れるといいでしょう。

スキンケアはここから始めよう。紫外線対策

1年を通して欠かせない紫外線対策は、ほうれい線やシワ対策にも欠かせません。
真皮の中のコラーゲンやエラスチンを破壊する恐れがあるので、それを防ぐためにも、
こまめに日焼け止めを塗ったり、UV効果が見込める化粧品を取り入れたりしましょう。

スキンケアと合わせてしたい。顔のマッサージ

スキンケアにプラスして、表情筋のエクササイズやマッサージを取り入れるのも効果的です。
(※15、16)

1. オイルやクリームを手に乗せ、顔全体、首全体に伸ばします。
  顎の下から耳の裏に向かって、4本の指を使いフェイスラインを持ち上げます。
  耳の後ろまで持ち上げたら、肩、そして鎖骨まで滑らせます。
2. 次に、ほうれい線に沿って手を添えたら、耳の前まで引き上げます。
  そこから、首を挟むようにして鎖骨まで滑らせましょう。
3. 小鼻の横に中指を添え、目頭と眉頭の間を通って上まで引き上げます。
4. 人差し指、中指の2本で目の周りを軽く圧迫します。
5. 頬を両手で包み、髪の生え際まで引き上げ、そのままの形をキープします。


ポイントは、オイルやクリームなどを使って行うことです。
乾燥している肌を引っ張ったり、揉んだりすると、シワを作る原因になります。(※17)
これは、ほうれい線や顔のたるみにいいとされる数あるマッサージのうちの一例です。
いろいろな方法があるので、気になる方はぜひ調べてみてください。

日常を見直そう。姿勢のクセ

ほうれい線やマリオネットラインを作る原因のひとつである頬のたるみは、姿勢や重力にも影響を受けるという報告があります。(※18)
実験から、座位から仰向けに姿勢を変えることで、毛穴の深さが浅く狭くなるということがわかりました。

普段の生活でパソコンやスマホなどを頻繁に使うという人は、
顔や体を前方に傾け過ぎない、頬杖をつかないなど、
普段の姿勢のクセを見直すことが、ほうれい線のケアのひとつになるはずです。

塗るだけでほうれい線がカバーできる日も遠くない!?

ほうれい線は、表情ジワや乾燥ジワとは違い、より深い場所にできるものなので、メイクでカバーするのは難しいと言われてきました。
しかし、最近の研究で、ほうれい線上に塗るだけで肌を持ち上げるメイクアップ技術が開発されました。(※19)
将来的には、日々のケアだけではなく、メイクアップを通してほうれい線を消すことができるようになるかもしれません。

ほうれい線をケアして見た目の印象を変えよう!

ほうれい線があると、実年齢よりも老けた印象を周囲に与えてしまいます。
自分でするケアでも対策できるので、今までしたことがなかったという人は、ぜひこの記事を参考に、ほうれい線ケアに取り組んでみましょう。



※1 鼻唇溝|日本化粧品技術社会 https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/1372
※2 顔面たるみの二次元簡易的測定法の解説 https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/49/2/49_114/_pdf/-char/ja
※3 たるみに関する意識調査|ロート製薬 https://www.rohto.co.jp/~/media/cojp/files/pdf/news/20120904.pdf
※4 真皮|花王 https://www.kao.com/jp/skincare/skin/structure-04/
※5 コラーゲン|日本化粧品技術者協会 https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/602
※6 骨粗鬆症|日本医師会https://www.med.or.jp/chishiki/kotu/002.html
※7 骨の最新医学|サントリー https://health.suntory.co.jp/professor/vol44/
※8 エラスチン|日本化粧品技術者協会 https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/211
※9 表情筋|日本化粧品技術者協会 https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/1451
※10 紫外線|日本化粧品技術者協会 https://www.sccj-ifscc.com/library/glossary_detail/705
※11 院長コラム|AQUAデンタルクリニック
http://www.aqua-dental-clinic.net/blog/2018/11/post-73-644709.html
※12 第3回「噛み合わせ」を治すと顔の印象が若々しくなる|イノマタデンタルクリニック
https://www.inomatadental.com/riraku/riraku003

※13 研究員に聞く「シワ」の種類別対策|資生堂https://www.shiseido.co.jp/sw/beautyinfo/DB008733/
※14 しわ治療の最前線|マルホ皮膚科セミナー
http://medical.radionikkei.jp/maruho_hifuka/maruho_hifuka_pdf/maruho_hifuka-140417.pdf
※15 資生堂、世界初・リンパ管の機能低下と「たるみ」の関係を解明
https://corp.shiseido.com/jp/releimg/2455-j.pdf
※15 家庭用 EMS ローラー美顔器を用いた マッサージ併用による美容効果
https://www.shinryo-to-shinyaku.com/db/pdf/sin_0056_04_0310.pdf
※16 化粧品美容液と フェイシャルマッサージを併用した際の, 顔のたるみとほうれい線に対する効果 https://www.shinryo-to-shinyaku.com/db/pdf/sin_0056_10_0763.pdf
※17 肌のシワ発生のメカニズムに関する基礎的力学的考察https://www.jstage.jst.go.jp/article/seisankenkyu/57/5/57_5_497/_pdf
※18 頬部たるみと毛穴形状の変化https://www.jstage.jst.go.jp/article/koshohin/40/1/40_1/_pdf
※19 塗るだけでほうれい線を目立たなくする、新しいメイクアップ技術を開発|花王
https://www.kao.com/jp/corporate/news/rd/2020/20201112-001/