”紫外線は悪”という観念は一般に浸透し、日焼け止め、帽子、サングラス、アームカバーは、美しくいたい女性の必需品になっています。

なぜ悪なのか?

それは、紫外線が、シミ、シワ、たるみの原因になるから。これについては、食い違う情報を発信している専門家間でもズレはありません

ここでは、紫外線とそれら肌ダメージについての関係をもう少し掘り下げるとともに、美白美白といっても紫外線も健康のためには必要という専門家の指摘、UVコスメのSPFの見方についても説明します。

阿部の薦める紫外線対策

このサイトでは、紫外線と肌への影響について掘り下げて説明をしていきますが、結局はどうすれば良いの?ということについて、先に触れておきます。

<春・夏>
紫外線量の多い季節です。日焼け止めの他、帽子、人によってはスカーフ、アームカバーも使って肌を覆うと良いでしょう。
ちなみに阿部は、帽子はオールシーズンできるだけかぶるようにしています。
ヘアースタイルが崩れるのがデメリットですが、櫛を常に持ち歩き、トイレに入るごとにブラッシングすることで、ヘアースタイルもきれいに保つことができます。

日焼け止めは、汗をかく具合によっても塗り直しの頻度は違いますが、真夏の外出時はトイレに行くたびに塗りなおすのが良いと思います。
オフィスワークでずっと室内にいる場合は、出勤前と退社時(日が落ちていたら不要)に塗り直しをします。

外出先での塗り直しは、結構面倒。メイクの上にUVクリームを塗るとメイクが崩れるのが心配ですね。そういう時は、携帯用にスプレータイプの日焼け止めがお勧めです。

<秋・冬>
紫外線量は少ないものの、美白を願う人は対策を怠たらないようにしましょう。

阿部は、日焼け止めの塗り直し頻度は春夏と比較するとずっと少なくなりますが、着帽を心掛けるようにしています。

ファンデーションや下地にUV効果が含まれているなら、日常生活においては着帽だけでもOKと思います。

紫外線は、その波長によって3つに分類されます。
UV-A、UV-B、UV-Cの3つについて、以下説明します。

UV-A(しわ、シミ、たるみの原因)

一番長い波長のものがUV-A。
UV-Aによるダメージから守るために、メラノサイトはメラニン色素を沢山生成し、表皮の角質層に押し出し、より深部へのダメージから守ろうとします
ターンオーバーによって、どんどんメラニン色素は排出されていきますが、ターンオーバーが上手く働かず、色素沈着として残ると、それがシミとなります

UV-Aを浴びると肌が黒くなって日焼けしますが、これをサンタンと呼び、紫外線を浴びて数日後から表れ、しばらく(数週間、数か月)この状況が続きます。

また、UV-Aは真皮まで達し、肌の弾力、ハリを維持するコラーゲンやエラスチンを壊すためじわじわとしわ、たるみとして肌を老化させます。

紫外線によってシミができることは周知されていますが、実はしわ、たるみの大きな原因にもなっていたということ、ご存じでしたでしょうか?

UV-B(シミの原因)

次に波長が長いのがUV-Bです。

海水浴などで日焼けしすぎた際、皮膚がひりひりと赤く炎症を起こすことがあります。これをUV-Aの起こすサンタンとは異なる、サンバーンといいます。

このサンバーンの原因になるのがUV-Bで、表皮までしか入らないものの、サンバーンを引き起こし、また、大量にUV-Bを浴びると皮膚がんの心配が生じます。

UV-C(地上に届かない)

紫外線の中でもっとも波長が短いものであり、オゾン層で散乱、吸収されるため、地上には届きません

しかし、1980年代にフロンガスによってオゾン破壊が一気に進み、オゾンホールができることでUV-Cまでもが地上に届く危険が問題視されるようになりました。
世界的に大問題になり、フロンガスの使用を規制するなどした結果、1995年前後をどん底に徐々にオゾン層が回復してきているようです。

まだ、1980年前の状態にはもどっていないものの、ゆっくりとオゾン層が修復されているデータが確認できます。
↓  ↓  ↓

フロンによるオゾン層の破壊(気象庁)
http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ozonehp/3-25ozone_depletion.html

ビタミンD生成には紫外線が必要

紫外線は有害なイメージがありますが、このUV-BはビタミンDを体内でつくるために必要なのです。

食事、サプリメントでもビタミンDを摂取することができますが、

成人の一日に必要なビタミンD摂取量を15とすると、
平均的に食事でとる量は5
とみられており、不足分10は体内で生産するように心掛ける必要があります。

独立行政法人国立環境研究所
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2014/20141127/20141127.html

上記リンク先では、食事では不足するビタミンD生成に必要な紫外線照射時間は、地域、季節、時間帯、皮膚のタイプ、肌露出の面積で異なる旨、説明しています。

ざっくり要約すると、

顔と両手の甲を露出する場合、
つくば市では、夏は10分(昼は6分)程度、冬は昼で40分程度、日に当たる必要
があります。

ところが、札幌となると、夏は概して10分強(午後3時だと24分)、冬だと昼でさえ139分(朝、午後3時などはその何倍も)となります。

関東周辺に住んでいる方は、上記数値をみると、日常生活でなんとかなるように思いますが、

北方にすんでいる場合、冬には露出を増やし紫外線照射時間を短くするなどして、効率的に浴びて体内でビタミンDを生産することを心掛けた方が良いことがわかります。