離婚協議書 | 財産分与 | 住宅ローン | 養育費年金分割 | 慰謝料 | 離婚公正証書

電話お問合せ

夫が不払いを起こした場合、離婚公正証書で差し押さえをする方法


離婚公正証書を作成していると、相手方が不払いを起こした場合にもすぐに強制執行ができるので便利ですが、離婚協議書しかない場合と離婚公正証書がある場合とで、どのような違いが発生するのかや、その限界について解説します。

離婚後相手が不払いを起こしたらどうする?

離婚公正証書を作成して、強制執行認諾条項を入れていたら、夫が養育費などの支払いを遅延すると、裁判を起こさなくてもすぐに給料などを差し押さえることができます。

ただ、離婚公正証書を持っていても、その後具体的にどのような手続きをとったら差押ができるのかがわからないことが多いでしょう。

そこで、以下では、差押をする方法を説明します。

離婚公正証書がある場合の対処方法

離婚公正証書がある場合には、裁判をしなくてもいきなり夫の財産に強制執行(差し押さえ)をすることができます。

この場合、自分で手続きする方法もありますが、弁護士に手続きを依頼することもできます。以下では、その2つの場合に分けて手続きの流れを説明します。

自分で差し押さえ手続をする場合

相手が不払いを起こした場合に、自分で強制執行の手続きをする場合には、いくつかの書類を取り寄せる必要があります。

まずは離婚公正証書を作成した際に正本を入手していれば、その正本が必要になります。

もし手元になければ「離婚公正証書の正本」を入手します。そのためには、離婚公正証書を作成した公証役場に連絡をして、公正証書正本交付申請をする必要があります。

離婚公正証書の正本を用意したら、今度は離婚公正証書に「執行文」を付与してもらう必要があります。

執行文を付与してもらうには、用意した離婚公正証書の正本を添付して離婚公正証書を作成した公証役場に執行文付与の申請をすれば、交渉役場で執行文をつけてもらえます。

さらに、強制執行を行うためには「送達証明書」も必要です。送達証明書とは、相手方に離婚公正証書が送達されていることを証明する書類です。

送達証明書を入手するためには、離婚公正証書を作成した公証役場に連絡を入れて、送達証明書の申請をします。
すると、公証役場から送達証明書の交付が受けられます。

こうして「離婚公正証書の正本」「執行文」「送達証明書」の3種類の書類がそろって、ようやく強制執行(差し押さえ)の申立ができます。このほか、強制執行の申立の際には、戸籍謄本や住民票なども必要になりますので、取得しましょう。

たとえば相手方の給料を差し押さえるのであれば、必要書類を添付して地方裁判所で「債権差押命令」の申立をします。

預貯金や不動産などの財産を差し押さえる場合にも基本的に上記の3つの書類を沿えてそれぞれの差し押さえ手続きの申立をすることになります。

公正証書にもとづいて差し押さえを申し立てる際には、1万円程度の手数料もかかります。

弁護士に依頼する場合

強制執行の手続きはかなり手間がかかりますので、自分で対処するのが難しいと感じることが多いでしょう。

そこで、離婚公正証書を利用した差し押さえ手続を弁護士に依頼する方法があります。

この場合には、まずは弁護士に相談に行って、離婚公正証書を見せて、相手方の財産に対して強制執行をしたいと伝えましょう。

このとき、もし弁護士が請求書を送れば任意で支払をしてくれそうな相手方の場合には、いきなり強制執行をする前に、まずは弁護士から内容証明郵便などで請求書を送ってもらう手続きもできます。

内容証明郵便で請求書を送っても相手から支払がない場合や、そもそも請求書を送っても支払が受けられそうもない場合には、弁護士に差し押さえの手続きをしてもらいます。

弁護士に手続きを依頼した場合には、必要な書類の取り寄せや面倒な申立手続きはすべて弁護士がしてくれるので、依頼者には自分で申立をする手間はかかりません。

離婚公正証書がない場合はどうなる?

離婚公正証書を作成せずに離婚協議書だけしか作らなかった場合、相手方が支払を遅延するとどうなるのでしょうか?

この場合には、いきなり強制執行することができないので、まずは裁判や調停を起こす必要があります。慰謝料の場合には訴訟、養育費の場合には養育費調停、財産分与の場合には財産分与調停を起こします。

そして、そこで判決が出たり調停や審判の結果が出たら、判決書や調停調書、審判書を使ってはじめて相手の財産に強制執行をすることができるようになります。

ところが、訴訟や調停、審判には非常に時間がかかります。数ヶ月以上かかることが普通ですので、その間に相手に逃げられてしまうリスクもあります。しかも、これらの手続きにもお金と手間がかかります。

このように、離婚公正証書を作っておかないと、相手方からの取り立てが大変面倒になる上に、実際に支払いを受けられなくなるリスクも高いです。

離婚公正証書がなかったAさんのエピソード

離婚公正証書を作成しないリスクをイメージしやすいように、1つエピソードをご紹介します。

Aさんは、夫の不倫が原因で離婚したので、離婚の際に慰謝料を支払ってもらう約束をしました。慰謝料の金額が高いので分割払いの約束にして、離婚条件は離婚協議書に書きました。ただ、めんどうなので離婚公正証書は作成しませんでした。

ところが離婚後、夫が慰謝料の分割払いを止めてしまいました。困ったAさんは夫に支払を求めましたが「お金がない」などと言われて話になりません。

そこで、Aさんは仕方なく夫に対して裁判を起こしました。裁判を自分でするのは難しいので、弁護士に相談に行って手続きを進めてもらい、何とか判決を出してもらうことができました。

そして、夫からは支払を受けられることになったのですが、そのために高額な弁護士費用がかかり、支払いを受けられるまでには8ヶ月もかかってしまいました。もし離婚公正証書を作成していれば、元夫が支払を滞納した時点ですぐに差し押さえができたので、非常に大きなロスがあったことになります。

Aさんの場合には最終的に支払いを受けられたからよかったですが、もし離婚協議書の内容が不十分で裁判で勝つことができなかったら、支払いを受けられなかった可能性もあります。

離婚公正証書の限界

離婚公正証書を作ると、単なる離婚協議書しかない場合と比べて相手方から支払いを受けられる可能性が高まります。
しかし、離婚公正証書があっても、必ずしも相手方からお金を取り立てられるとは限りません。離婚公正証書にも限界があります。

たとえば、相手方が支払をしなくなった場合、離婚公正証書があると財産の差押ができますが、その場合対象とする財産自体は自分で探さないといけません。また、財産がまったくない人からは取り立てができません。相手に借金をさせて無理矢理支払わせるということまでは認められないのです。

また、相手方が働いていたとしても、どこで働いているのかわからないときにも差し押さえはできません。

強制執行をする場合には、こちらで財産を特定しなければならないので、相手方がどこにいて(居場所の問題)、どこで働いているのか、どのような財産があるのかについてはこちらで特定しなければならないのです。

このように、離婚公正証書を作成したとしても、100%の保証があるわけではありません。

ただ、あるのとないのとでは雲泥の差があるので、離婚する場合には是非とも離婚公正証書を作成しておくことが大切です。

< 心配な方は、離婚協議書サポートへ


阿部が直接ご相談に乗ります

ご予約専用ダイヤル
離婚カウンセリング 阿部貴子によるカウンセリング風景
離婚協議書
料金一覧
メール問い合わせ
サブコンテンツ

このページの先頭へ