様々なメーカーで売り出されている、愛用者続出のオールインワンゲル。
手入れも楽だし、乾燥もしっかり防いでくれて、しかも、塗り心地が抜群!
それらオールインワンゲルの成分は、主に、
水、合成ポリマー、合成界面活性剤、防腐剤。
そして、ゲル状のトローン感を出す成分が”合成ポリマー”。
お風呂の排水溝掃除をしばらく怠ってみると、透明のトローンとしたものが排水溝を覆っていますが、その正体が合成ポリマー。
これって、顔に塗って問題ないのでしょうか?
なぜ、合成ポリマーを入れるのか?
化粧品にとろみを出すため
肌にツヤを出すため
とろみと、ツヤ、これは私たちがコスメに求めるものに合致します。
とろーんとしたゲルを塗ってツヤがでれば、それでスキンケア完了と思いますよね。
化粧品に使われる合成ポリマーは、保湿力の高いもので、肌のしっとり感を保ってくれます。
でも、使用感はおいておいて、サイエンスの目で見ると全く違うことがわかってきます。
そもそも、使用感と肌に良いかは別の問題。
合成ポリマーによる見せかけのツヤ
合成ポリマー入りコスメを使用すると、一見、肌にツヤが出ます。
シワ、たるみを目立たなくするアンチエイジングにおいても、一見、シワ、たるみを目立たなくするために、合成ポリマーが使われます。
合成ポリマーとは、液体のビニールのようなもの。ビニールで肌をコーティングするので、肌にツヤがでて、”一見”美肌になったように感じるのです。
では、肌をぴちーっと薄いビニールで覆ってよいのでしょうか?
合成ポリマーは液体のビニール
合成ポリマーの問題点は、次の2つ。
カサつきは解消されるも、常在菌が減る
肌には非常に沢山の細菌(常在菌)が生息しており、そのバランスが崩れると肌にトラブルが起きます。
皮膚常在菌の例
表皮ブドウ球菌、アクネ菌、黄色ブドウ球菌、マラセチア真菌
常在菌は、汗や皮脂をエサにして生息していますが、合成ポリマーで皮膚を覆ってしまうと、常在菌にとって生息しにくい環境になります。
常在菌はバランスを保っている限り、肌に害を与えることもなく、汗、皮脂を食べて酸を排泄し、肌を弱酸性に保ち、カビや雑菌から肌を守ります。
従って、常在菌が減る、バランスが崩れると肌は弱くなってしまうのです。
ターンオーバーの遅れ
肌をビニールで覆っているようなものなので、ターンオーバーが妨げられます。
ターンオーバーが滞ると、メラニン色素の排出が上手く行われず、色素沈着の原因となります。
合成ポリマーを含むもの、代表例
オールインワンゲル
オールインワンゲルは主に、水、合成ポリマー、合成界面活性剤、防腐剤、その他でできています。
オールインワンゲルのとろみ感は合成ポリマーによって実現します。
例えば、阿部が手元にサンプルとして取り寄せた他社製品のオールインワンゲル<ゲル状美容液>を見ると、
他社製品
<ゲル状美容液>40代女性をターゲットにし、”見た目-10歳肌”を謳っている。
化粧品成分が70ほど表示され、その7番目に”カルボマー”(合成ポリマー)と記載されていました。
成分表示は、含まれている量の多いものから順に記載しますので、約70の成分中7番目に多く含まれていることになります。
<保湿クリーム/ゲルタイプ>敏感肌向けコスメ。非常に成分こだわったコスメメーカー。
化粧品成分が29ほど表示され、その23番目に”カルボマー”、27番目に”クロスポリマー”と表示されています。
クレンジングジェル
他社製品
<クレンジングジェル>フランスの世界的コスメ企業
化粧品成分約50の中で、4番目に”クロスポリマー”が表示されている。
古い角質除去クリーム
<保湿クリーム/ゲルタイプ>敏感肌向けコスメ。非常に成分こだわったコスメメーカー。
化粧品成分約14の中で、3番目に”カルボマー”が表示されている。
合成ポリマーを使っているコスメはダメ???
結論からいうと、
少しでも合成ポリマーを含んでいたら、そのコスメは「美肌に悪影響」と、そこまで厳しく考える必要はないのだが、
個々の合成ポリマー入りコスメと、常在菌の減少、ターンオーバーの遅れに関するデーターを用いた説明等がなく、消費者の立場からはその化粧品が許容範囲内の合成ポリマーを含んでいるのか、超えているのか判断できない、というのが正直なところ。
従って、コスメを選ぶにあたり、分からないからできるだけ含んでいない、少ない方が良い、ということになるでしょう。
使用時の満足感、一時的な効果だけでコスメを選ぶと、合成ポリマーや界面活性剤を多く含んだコスメを選んでしまう危険があるといえます。